野塚岳(1353.2m)
〜ニオベツ川Co920m左俣へのアプローチ〜
沢登り編



   
【山行日】2010年08月16日(月)【天候】曇り/雨
【地域】南日高 【標高差】獲得標高は未計測
【駐車場】野塚トンネル日高側入口左手に広めの駐車場あり。 【人員構成】HYML仲間総勢5名(沢靴・沢装備)
【GPS】〜DAN杉本  赤・登り〜青・下り 【広域地図】 〜提供
         
【行程&タイム】 休憩時間含む 野塚岳
登り下り時刻 場 所
09:00 野塚トンネル日高側入口
10:15 Co920m二俣左俣
12:05 西コル
12:30〜12:45 野塚岳山頂
13:10 南コル
14:05 Co780m三俣
15:15 野塚トンネル日高側入口
登り3:30 下り:2:30 【行動時間】約6時間15分(休憩含む)




野塚トンネル日高側入口
林道入口
野塚トンネル日高側入口
3連休をHYML仲間総勢4人と2泊3日でエサオマン〜七つ沼を予定していたが、天気に振り回されて散々だった。
前夜に高速経由で、剣小屋へ夜中に到着し翌日の遡行に備え、就寝する。
1日目、エサオマン北カール狙いで向うが、エサオマントッタベツ川が白濁してかなりの増水で諦め、すぐに芽室岳に切り替えるがここも白濁していて轟音立てながら物凄い増水だ。
結局、どちらも諦める。
もうすることが無くなり、急遽温泉三昧にと菅野温泉に向かい露天風呂に浸かりにいくが、増水の為に湯船が川となっている。
あ〜っ!ダメだわ〜」と溜め息をつく。
すぐに機転利かせて今度は岩間温泉に向うもさすがに遠く、一日中運転のKさんも疲れが見えているようだ。。
何だかんだで、温泉には入れたのが救いで、その後再び剣小屋へ戻りもう一泊する。

2日目は、予定変更で妙敷山狙いだが、増水の本流をザイル使用で何とか渡りきるが、肝心の南面沢も増水で初めての沢は先が読めないので諦める。
すぐに機転を利かせて、ダメもとで唯一遡行の可能性が残されている野塚岳に急いで向う。
だんだん雨がパラついてきて、やっぱりダメかと半ば諦めかけていたが、天馬街道野塚トンネルを通り抜けると雨が降っていない。
メンバーは、CL〜ganさん、Iさん、Kさん、途中参加のSちゃんと自分の5人ですぐに遡行開始する。
入渓後、歩き出して間もなく霧雨が降るが、当然の如く誰もが何のためらいも無く黙々と先へ進む。
豪快…
デポ地点
Co780m三俣
やがて、霧雨が小雨に変わるが、「想定の範囲内」と歩みを進める5人。
1時間もかからずに、720m三俣に着く。
そのまま真ん中の本流を往く。
攀じ登る…

10mの滝
ちょっとした滝なら、初心者ならザイルが必要かと思われるが、足並み揃った5人は、難なく直登する。

いよいよ核心部?

ガレ場突入
ganさんの提案で、足並み揃う5人はガレの多い難所、西コルへのルートを狙うことに・・・
そして、Co920m二俣を左俣に入る。
次第にガレが多くなる。

まぁ〜何とかなるだろう。
だんだん!?

大ガレ場
ガレ場も大きくなり、落石も心配される。
このまま進めば、やがて大壁の岸壁に阻まれる。
ルートを探しながらの慎重な登りが続く。
何処へ…

ルンゼ
最初のルンゼは敬遠して、次に右側に取り付けそうな草つきのルンゼを見つけ「ここにしよう」とganさんが呟く。

Kさんの肩を台にして、ganさんがルンゼに取り付く。
ルンゼ上からザイルを出し、残りの4人も登りきる。
ラァ〜ク?

西コルへの草付き
ルンゼ上部の急斜面の草付きをKさんが偵察のため先回りしている間に、残り4人でザイル確保のための作業に講じる
実際には、ルンゼ上部両側は崖状のルンゼだ。
草付きの急斜面を登りきると両側がスッパ切れた細尾根の上を通過しなければならないが、想定の範囲内だろう。
問題は、岩がもろく落石が心配だ。
いきなり「ラ〜ク」の叫び声が響く。
案の定、大きな岩が転がりこんで下へ落ちていく・・・そのような事が2度あった。
幸い、皆無事だった。

結果から言えば、このルンゼも草つきの急斜面も、初心者でない限り慎重に取り付けば、ザイルは必要ないと思われるが、落石は免れない。
お〜っ!…

西コル
何とか無事に、西コルに辿り着く。
最後に登ってくるganさん、満足そうな笑顔だった。

コルに着いた途端、小雨が強めの雨に変わってきた。
すかさず、レインウェアを着込む。
山頂へ…

やがて野塚岳山頂
西コルから、稜線を南に歩くこと20分ほどで「野塚岳山頂」に辿り着く。

小雨もパラついているので、軽めにランチを済ませ、すぐに山頂をあとにして、南コルへ滑るように下降していく。

周りの景色は、何も見えずに残念だが、それはそれでいいとしよう。
速い…

南コルからの下り
ganさん曰く、南コルからの下降は780m三俣に出るルートで、エスケープルートとしても可能だそうだ、

位置的には、Co780m三股にドンピシャの下降沢だ。
最初は、草付きの急斜面を滑るように降りていき、Co1100m付近から源頭の水が流れている。

連続だぁ〜

780m三俣右俣沢
小滝が続く沢は、尻すべりのミニゴルジュがあったりで、皆大歓声をあげながら下る。
途中、シュリンゲがあったりするが、初心者ではない5人は、難なくCo780m三俣まで問題なく下降する。
初心者ならザイル確保が必要かと思われる。
Co780m三俣からは、足早に野塚トンネルへと下山する。
最後の砦、コンクリート堰堤の登りに思わずトラブルが発生…
内容は仲間内だけの話にして、最後の最後に笑えるトラブルが発生したのだった。
これで、一気に疲れが吹っ飛んだ。

下山後は、アエルの湯で温泉に浸かり、近くの某所で一夜を明けて翌日も沢を狙う予定だったが、夜通しさながら、雷鳴と共に土砂降りの雨が降り続いていた。
皆、諦めの境地で寝入り、翌朝すぐに沢は諦め、早めの帰宅に途に着く。

その翌日のニュースで、あの土砂降りの日にすぐ近くの歴船中の川で大学生4人が流され、1人だけ生還したのだという。
亡くなられた、3人にご冥福を・・・

沢を侮る無かれと肝に銘じる。
とにかく、天気と増水に振り回された3日間だった。



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