|
期待… |
標高194mT字路地点
|
昨夜、藻琴山組2名を覗く6名で斜里温泉に素泊まりし、早朝6時前には宿を後にして、前日の藻琴山に続き、今日は鋭鋒・斜里岳の北東側に並ぶように位置する海別岳を目指す。
南日高のトヨニ岳と似ていて、白鳥が羽を広げたような美しく、そして優雅さが感じられる知床連山最南端の山だ。
登山口となる標高194mT字路へ向う途中、コンビニで朝食と昼食の買出しをしてから現地入りする。
6時30分過ぎに登山口に着き、山行の準備をして6時45分頃スタート。
最初の一歩は、雪で埋もれた畑の中を歩かせてもらう。
この畑の雪も、来週末にはすっかり無くなっていることだろう。
|
|
通過地点… |
鹿柵 |
今日の山行は、Koさんだけがスノーシューで他は皆山スキー装備だ。
締まった雪質の中、最初は全員ツボ足で歩く。
約200mほども歩くと扉の開いた鹿柵に着く。
ここからが本来のスタート地点なのだろう。
早速スキーに履き替え出発するとすぐに林道と交差する。
しばらくはこの平坦な林道に沿って淡々と歩く。
「朝の空気はやっぱりいいもんだぁ〜」・・・
|
|
なんだ… |
ヒグマの足跡 |
淡々と気持ちよく歩いていたら、いきなりヒグマの足跡が林道を交差するように横切っている。
しかも、まだ真新しい足跡だ。
はっきりと輪郭が残っていたので、昨夜の未明、或いは早朝の足跡に間違いないと思われる。
ニアミスだけはゴメンだが、久しぶりに見る足跡に何故かホッとしている私だった。
|
|
まだまだ… |
朝陽に照らされ…
|
相変わらず林道を歩くが、朝陽に向って淡々と歩き続けること約1キロほどで林道が途絶え、「海別川1号砂防ダム」に出合う。
高さ10mはあるだろうか?かなり大きなダムである。
ここは、左側から高巻くように急勾配を登る。
その後は、いくつかの沢形を辿りながら、適当な箇所で尾根に取り付く。
ちょっとした急勾配ではあるが、無理やり直登して登りきると平坦な尾根に出る。。
多分この尾根が、雪山ガイドで言う朱円の尾根なのだろう。
|
|
ウォ〜ッ… |
朱円の尾根から見える山頂 |
この平坦な尾根は、針葉樹林帯となっていて、しばらく見通しの利かない。
やがてCo700mを越える頃、辺りは見晴らしが利いて森林限界となる。
ダケカンバ帯からハイマツ帯に変わる頃広大な台地となってくる。
その遥か先には、左にニセピークと右に海別岳山頂が見えてくる。
|
|
絶景… |
中腹からの斜里岳 |
さらに高度を稼ぐと、今度は右手方向に鋭鋒・斜里岳が勇ましい姿で出迎えてくれる。
|
|
振り返れば… |
オホーツク海 |
登って来た方向へ振り返れば、斜里町の向こうに遥かなるオホーツクの海を望む事ができる。
さらに高度を上げてCo1155mピークを目指す。
もうこの辺りの斜面からは、クラストしてシール歩行が困難になる。
クトー装着も考えたが、1155mピークがすぐそこまでせまっているのでそのまま登りきる。
|
|
ここからは… |
Co1155m |
登山開始から、1155mピークの左手のコル状までは約3時間半ほどを要して到着。
ここからは完全にクラストしていてカリカリ状態。
しかし、まだYさん、Iさんが遅れ気味・・・少し遅れて全員揃う。
ここでスキーをデポし、兼用靴にアイゼンを装着する。
この位置から見上げる山頂は、ニセピークしか見えない。
本峰はさらにその奥である。
|
|
最大の… |
ニセピークへ |
「さぁ〜急勾配の登りだ」…ここからはキックステップを切りながら一歩一歩確実に登っていく。
約20分ほどのキツイ登りを我慢して、ニセピーク直下に辿り付く。
ここから望む知床連山はまさに絶景だ。
|
|
騙されるな… |
さらに奥が、本峰の海別岳 |
さらに登れば、通過点のニセピークだ。
この辺りからは、稜線特有の冷たい風が下から吹き上げてくる。
顔も痛いが、目も痛いほど冷たい風だった。
ニセピークから、やや広めのクラストした稜線を歩き本峰を目指す。
左手のやや発達した雪庇に注意しながら…
本峰方向を見ると、雪煙が舞っている。
|
|
まだまだ… |
アップダウンの稜線 |
アップダウンの稜線がどこまでも続いている。
|
|
最後の… |
海別岳山頂 |
そして最後の登りを終える頃、念願の海別岳山頂に辿り着くことができた。
相変わらず、強風が吹き荒れる。
|
|
想い… |
知床連山 |
遅れて、Yさん、Iさんの二人が到着。
やっと皆で喜びを分かち合う事ができた。
特に、昨年の暴風雪dのニセピークで撤退を経験しているKoさん、Aさんの気持ちは、ひとしおであったろう。
ここからの知床連山もまた格別な想いで望むことができる。
|
|
下山は… |
ニセピークへ |
山頂で記念撮影後、山頂直下南西の方向から、10数台のスノーモービル軍団が爆音もろとも登ってくる。
何もこんな所まできて楽しいのだろうか?
とは言え、考え方は皆それぞれだからなぁ〜。
爆音に脅されるように足早に下山開始する。
|
|
何が起きた? |
スノーモービル滑落 |
ニセピークまで戻る最中にスノーモービルの事故発生。
なにやら、北西の急斜面から5台ほどバウンドしながら疾走してくる十数台のスノモ軍団。
そのうちの3台が登れずにドライバーもろとも急斜面を滑落、かなり無謀な行為にだ、彼らにしてみればそれでも楽しいのだろう。
ケガ無かったのだろうか…。
人事だが、心配になる。
どうやら、ドライバーは立ち上がったようなので、大丈夫なのだろう。
スキーをデポ地点のCo1155mまで一気に降りるて、ここでランチにする。
先ほどまでの強風は何処へやら、まったくの無風で陽が燦燦と背中に降り注ぐ穏やかそのもの。
皆それぞれに何を思うのか、めいっぱい寛いでいた。木も込んできて尾根から急斜面を下り砂防ダムに着く。あとは平坦な林道を滑り無事登山口へ到着する。鹿の防護柵の所では、青い空に白い海別岳が映えていた。下スノモでの山頂アタックに失敗して、スノモごとドライバーも滑落したようだ。
ここからは氷結した大斜面の大海原、天然のスキー場を思い思いにシュプールを描く。
次第に雪も腐り始めザラメ状となり、滑りやすくなる。
スノーシューのKoさんは、スキーに負けまいと必死に走って下る…その後姿はスーパーマンか((笑
その後、鹿柵まで下山し振り返れば、透き通るほどの青い空に、白い海別岳が悠然と映えていた。
下山後は、清里温泉「緑清荘」で汗を流し、帰路途中に遠軽町で夕食の蕎麦を食べる。
その後の帰路は、夕暮れ時の高速道路をひた走り、やがて闇と化す高速道路で今日の山行に想いを馳せながら、脳裏に焼き付けていた。
また、そのうちにもう一度登る事があるのだろうか。
最後に、ご同行された皆さんに感謝いたします…ありがとう。
|