迷沢山(1005.7m)
〜西区平和の滝から新送電線(登り)〜旧送電線(下り)へのアプローチ〜 |
【山行日】 | 2009年02月18日(水) | 【天候】 | 吹雪時々晴れ |
【地域】 | 道央の山 | 【標高差】 | 約900m?(概算) |
【駐車場】 | 平和の滝にある駐車場に数台可能。(除雪次第) | 【人員構成】 | 単独行動 |
【GPS】 | GPSログ図・カシミール3D 〜DAN杉本〜 | 【広域地図】 |
【行程&タイム】 休憩時間含む | ||
登り時刻 | 場 所 | |
9:40↓ | 平和の滝 登山口 | |
10:00↓ | スノーブリッジ渡渉地点 | |
10:45↓ | 新送電線合流地点 | |
12:50↓ | 旧送電線合流地点 | |
13:50↓ | 迷沢山頂上(15分休憩) | |
14:40↓ | 旧送電線合流地点 | |
15:50↓ | 手稲山夏道合流地点 | |
16:05↓ | 平和の滝 登山口 | |
登り4:10 下り:2:00 【行動時間】約6時間25分(休憩含む) |
平和の滝から、スタート | |
琴似発寒川渡渉地点過ぎの林道? |
今年の冬は、過去に比べて異常なくらい登っていない。
登ろうと思えば、いつでも登れたはずなのに、行こうと決めた日はいつも悪天候だった・・・単なる言い訳に過ぎないけど。((笑 という事でこの日、久々に「迷沢山」に登ろうと決め、札幌市西区平和の奥にある平和の滝入口の大平和寺から、9時過ぎの遅めのスタートとなった。 最初は、手稲山夏道の遊歩道をスキー兼用靴を履き、ザックに山スキーをくくり付けていざ出発、スノーブリッジがある琴似発寒川渡渉地点まで歩くことにする。 15分ほど歩くと、スノーブリッジに着き、早速、山スキーを履く。 少雪で、沢が所々開いてはいるが、難なく渡りきる。 渡りきると、あとは新送電線に向って歩くのだが、前日降ったと思われる新雪が先を阻むかのように膝ほどまでのラッセルをしなければならない。 途中、急斜面のトラバース気味地点で、何度も何度も後ずさりして、全くシールが効かずに苦労した。 雪面は新雪で、その下はアイスバーン気味になっているようで思うように登攀できないのだ。 まぁ〜それでもその場は何とか通過して、再び「新送電線」に向って歩き出す。 |
新送電線経由で! | |
新送電線合流地点過ぎ |
登山口から登る事、約1時間15分程で、新送電線が右側に見えてくる。
広大な雪原の中をただひたすら登り続ける…前に見えるのは一面何も無い銀世界のみ。 後ろを振り返れば、自分が歩いてきたスキーのトレース(跡)だけが延々と続いていた…その遥か向こうには、札幌の街並みが見えている。 それにしても、今日の天気は目まぐるしいくらい忙しい。 束の間の晴れ間も一瞬で吹雪に変わったりする…どちらかと言うと吹雪のほうが多かった。 登る先にトレースが見当たらないところを見ると、どうやら先行者はいないようだ。 まったりと自分だけの世界に浸れる唯一の空間だ…幸せかどうかは別として、何とも言えないこの空間が実に好きだ。 だからと言って、そんなにゆっくりもしていられない。 「さぁ〜登れ」と気合を入れ、再び歩き出す…それにしてもやや重い雪質のせいか、ラッセルがしんどい。 |
なだらかで広い緩斜面! | |
遥か向こうに手稲山を望む |
大分ペースが落ち、息切れで時々立ち止まっては周囲を見回す。
右手遥か奥に、手稲山の電波塔が見えている。 ここで少し休憩して飲料水を補給していたら、初老風な「おじさん」が、「お先に〜」とエッチラオッチラと物凄い勢いで私を抜き去って行った。 さすがに、あの「おじさん」の勢いには「唖然」としてしまった…という自分も他人から見れば、ただの「おじさん」かもしれないという「ジレンマ」に襲われた((笑 今度は、先行者のあの「おじさん」が道をラッセルしてくれるので少しは楽に登れそう。 |
前方にあの「おじさん」 | |
人影が見えて! |
その後、かなりハイペースで登るが、追い抜いていったあの「おじさん」になかなか追いつく事ができない。
世の中には、凄い老人もいるもんだなぁ〜と思いながら、黙々と足元だけを見ながら歩き続ける。 あっ!「キター」じゃなくて、あの「おじさん」が前方の新送電線下の疎林の中に「イター」。 やっと、「おじさん」追いついた。 それにしても足の速い「おじさん」だ。 申し訳ないが、しばらく「おじさん」の歩くトレースを拝借しながら、新送電線下を歩いていく。 その後しばらく新送電線下を歩くようなコース取りを登る。 |
全くトレース無し | |
広々とした疎林帯の新雪斜面 |
その後、あの「おじさん」は突然足が止まった。
どうやら休憩らしい。 「お先にどうぞ」と笑みを浮かべながら、すれ違いざまに私に声をかけた。 すかさず自分も、「先行トレースありがとうございま〜す」と一声掛けて再び自分が先行者となってしまった。 まぁ〜ここまで、道をつけてくれたのは、大変有難い。 その先、もちろんトレースは無い。 自分が道を切り開くということになる。 時折、目の前の新雪斜面が眩しく輝き、幻想的な風景をかもし出す。 「あ〜、やっぱりいいなぁ〜この瞬間がたまらないんだよなぁ〜」と独り言。 |
新送電線から旧送電線 | |
旧送電線スロープから西区平和・西野方向遠望 |
何だかんだと言いながら、この辺りから今度は、右手に折れて、ちょっとした下りのスロープを滑る事に。
右手方向の向こうには西区・平和、西野の住宅街が見えている。 |
滑り応えに期待! | |
やや急斜面の旧送電線スロープ |
いよいよ、短い下りのスロープをスキーにシールを貼ったまま滑るが、時々ブレーキがかかっておいっきり転んで埋まった。
そうなんです…深い新雪で転ぶと全身雪の中に埋まってしまうんです((笑 起き上がるのは至難の業、ストック(ポール)は雪面に全て「ズボッ」と入るので、支えが無く思うように起き上がれないんです((笑 下りのスロープを滑り終えるとやがて前方に、やや平行に2本並ぶ「旧送電線」付近に着く。 ここからは左手上方に約900mの稜線が見えている。 その前に、前方に見える「通称910mピーク」を登らなければならない。 スキーのトレースがあることから、旧送電線側から登って来た人が居るらしい。 |
まもなく見えてきた! | |
旧送電線側のややキツイ登り |
目指すは、前方に見えるこの「910mピーク」…やや急登気味だ。
何とか登り切ると、この910mピークはやや平坦な場所で、ここからはもう迷沢山が見えてくる。 時計はすでに13時近くを指していて、登山口から3時間以上も経っている。 下りの時間を考えると、そんなにゆっくりもしていられない。 ここで撤退するか否かの判断が迫られる… 迷沢山まで、1時間強かと思われる…天気も何とか持ち応えそうなので、そのまま山頂を目指す事にした。 |
スノーモービル天国! | |
山頂直下から札幌市内を見下ろす |
ここからは、やや平坦で針葉樹と広葉樹の疎林帯の中を弧を描くように大きく回り込んで歩いていく。
やがて、目の前に台地状の小高い広々とした丘のピークが見てくる。 ようやく迷沢山が眼前に見えてきたのだ… それにしても、この辺り一面スノーモービルのトレース(跡)だらけだ。 しかも、山頂まで新雪面を捜すのが困難なくらいにモービルのトレース(跡)が…いいんだか、悪いんだか、とても切ない思いがした。 |
長かった〜! | |
迷沢山山頂 |
モービルのトレース跡に愕然とした思いで、小高い丘の迷沢山に到着。
とりあえず、「ヤッター」と一人歓声をあげる。 時間にして4時間半強、時計はすでに、13時50分を指していた。 下りは2時間を見込んでいるが、暗くならないうちにと最後まで気を抜けない。 山頂で簡単に遅めの昼食を、暖めればいいだけの「おでん」を食べた。 ここから眺める周りの山座同定は、いつもと違い、また格別な思いだった。 昼食を早めに済ませると、スキーシールを剥がして下山準備を始める。 早く下山するため、登りとは違う「旧送電線コース」を辿る。 すぐに山頂をあとにして、とりあえず旧送電線手前の斜面を横切るように滑っていくと、旧送電線の下へ出る事ができる。 ここからは、この旧送電線の下を手稲山夏道までを、ほぼ一直線に滑って下る事になる。 だが、この斜面…新雪と相まって、上級者並みのなかなかの急勾配に一苦労させられる。 何度か転びながらも、一気に夏道近くまで滑ってきた。 今度は、琴似発寒川のスノーブリッジ地点を難なく通過して、夏道遊歩道に辿り着いた。 そしてそのまま、平和の滝駐車場まで緩い勾配の遊歩道をダラダラと滑り、無事下山完了することができた。 時計は、16時05分を回っていて、もうすでに辺りは暗くなり始めていた。 天気も晴れ間より吹雪模様が多い一日だったが、何とか無事に戻ってこれたことに感謝して平和の滝駐車場をあとにする。 車中、今日一日の思いを脳裏にかすめ、FMラジオから流れる今風の音楽を聴きながら、いつものように帰路に着く。 追記・・・そういえば、あの「おじさん」、その後下山まで一度も会うことがなかったことに気がつき、きっと途中から下山したのだろうか。 |