伏美岳(1792m)
〜戸蔦別川六の沢遡行から伏美岳、そして夏道下降へ〜
沢登り編



   
【山行日】2009年09月23日(水)【天候】快晴
【地域】北日高 【標高差】獲得標高は未計測
【駐車場】戸蔦別川林道奥の6号砂防ダム前広場。(十数台可) 【人員構成】HYML仲間総勢4名(沢靴・沢装備)
【GPS】〜DAN杉本   【広域地図】 〜提供
                    
【行程&タイム】 休憩時間含む 十勝岳
登り下り時刻 場 所
04:10 戸蔦別川林道6号砂防ダム前ゲート
05:25 6の沢出合い入渓地点
07:28 Co1040m二股分岐・左股
09:05 Co1325m二股分岐・右股
10:20 Co1770m稜線
10:30〜11:40 伏美岳山頂
12:55 伏美岳夏道登山口
登り6:20 下り:1:15 【行動時間】約8時間45分(休憩含む)




真っ暗・・・
林道入口
暗闇の林道
札幌からHYML仲間のGさん、Qさん、Tさん、そして自分の4名でGさんの車で乗り合い、戸蔦別林道沿いにある戸蔦別ヒュッテに前夜泊をする。
それ以前に、Qさん札幌出発と同時にお酒を体内に次から次へと注ぎ込んでいく…大丈夫だろうか。
ヒュッテに着いてからの宴会でも、その勢いは止まらず、独特のQ節で人生を語っていた。
その後、徐に床に就いたのは意外に早く、19時30分だった。
起床は早く、やがて朝3時を迎えてすぐに支度を始めていたら、外で車中泊していたMさんがヒュッテに入ってきた。
彼は、ガケの沢から札内岳に行くと言う。
我々はすぐに車で6号砂防ダム前ゲートに向かい、先週遡行した8の沢と同じルートで、暗闇の林道な中、Gさんを先頭にラテルネを点けながら6の沢出合いへと歩き出す。
林道から崖下へ・・・…
デポ地点
戸蔦別川本流
林道から、戸蔦別川本流へ行くには、やや崖状の潅木の藪を30mほど下らなければならない。
潅木や笹に掴まりながら、何とか崖を降り、そのまま反対側の本流の左岸へ渡渉する。
戸蔦別川はやや増水気味だが、問題は無い。

この時季の川の水は、寒々として冷たい。
もう秋も終盤…10月にもなれば、沢遡行も辛くなってくるのだろう。

とりあえず、左岸の川原でおでんの朝食タイムをとる…流石におでんは、身体が温まる…う〜ん、最高の朝食だ。
いよいよ…

6の沢出合い地点
簡単に朝食を終え、すぐに6の沢出合いから再び入渓する。

もう辺りは早朝の陽光が指し、明るくなってきた。

先頭は、体力有り余る60代のTさんだ。
ムムッ!

Qさんの様子を見るTさん
入渓してしばらく、モノトーン気味の極平凡なゴーロ帯を歩く。

Co1040mまでは、遡行意欲がなくなりそうなくらいに地味な沢だ。

なにやら、Qさんの歩き方がどうもおかしい…フラフラとよろけながら、やっと歩いているのだ。
本人曰く、「めまいがして、具合が悪い…」としきりに呟く。

みんな心配そうに見守るのだが、とりあえずQさんの荷物を他の3名で分散して遡行する事にしてさら先へ歩く。
朝焼け・・・

6の沢から見上げる伏美岳のモルゲンロート
やはり、Qさんの体調は、一向に良くならない。
とりあえず、しばらく様子を見ることにした。
反対側には…

先週、8の沢を遡行して登った神威岳のモルゲンロート
Co1040m手前で、ふと後ろを振り向くと、先週8の沢から遡行して登った「神威岳」が、朝陽に照らされていた。「う〜ん、感慨深いなぁ〜」。



函???

柱状節理の函状の壁
いよいよここで、Qさんの遡行可否を判断しなければならない。

Qさんの体調を考えると、この先の遡行は困難とみた。

協議の末、Gさんと自分は、そのまま遡行を続け、Tさんは、Qさんを介助しながらヒュッテへと戻る事になった。

Tさんには、申し訳ないのだが…
いきなり…

Co1040m左股の10mの滝の
Co1040m付近で最初の滝「10mの滝」は、左側を直登。
荒れて…

流木多し小滝
次々と現れる子滝の連続に「なまらいいんでないかい」・・・と嬉しい悲鳴だった((笑

またも…

階段の滝出現
次は、滑滝っぽい「10mの滝」が続く。
連続だぁ〜

Co1305mの滝
次に、Co1305mの「5mの扇状の滝」が現れた。
足場が悪く、ホールドスタンスがイマイチでよく滑る。

Gさんが登りに苦戦、なんでもないように見えて、意外とヤバかった。
そしてGさんの足を押さえたりしながら確実に安全策に講じる。
そのGさんを先に登らせたのはいいが、後に残された自分はやはり苦戦する。
そこでGさんからスリングでお助け紐のお世話になる。

お互いに助け合いながらの遡行だ。

ここで、Gさんのスリングに付けていたカラビナを落として紛失する。
何度も辺りを捜すが、見つからずに断念する…あ〜勿体無い。
やがて…

Co1325m分岐右股からの一枚岩盤の滑状の滝
次に、Co1325m分岐右股からの一枚岩盤の滑状の滝が50m近く続いている圧巻の滝だ。
一筋の・・・

一本の細い糸のような流れ滝
Co1400mから先は、一筋の白糸のような細長い流れが何処までも続いていた。

写真は攀じ登るGさん。
最大の難所…

快晴の伏美岳山頂
Co1560m付近で源頭部となり、やがて藪こぎが始まる
だが、意外にも藪は濃くなく、潅木などに掴みながら15分あまりで稜線と登山道に躍り出る。
ここからは、夏道を忠実に辿れば、否が応でも伏美岳山頂に立つことができる。

山頂付近には、数人の縦走組パーティーが居た。

いつもの事ながら、この伏美岳から望む山座同定は見事なまでの絶景だ。
この山は、かれこれ4度目の登頂となった。

そして、いつもの山頂ラーメンを準備していたら、Gさん曰く「あっ!麺がないっ?そうだ、Qさんのザックの中にあるのをすっかり忘れていた 。」…そのQさんは、ここには居ない。「う〜ん、なんだかなぁ〜」((笑

仕方が無いので有り合わせのワカメとチーズでスープにして頂く。
正直、意外や意外、絶品の味付け。
自分曰く「まぁ〜なかなかいけるんじゃない」と呟いたが、Gさんには聞こえなかったようだ。


やがて…

夏道登山道を快調に下山するGさん
その後、体調不良で戻っていったQさんと付き添いのTさんが先回りして待っている伏美小屋へと向うため、すぐに夏道を一目散で下山する。

早い早い、何と僅か1時間15分で下りきり、登山口に着く。

TさんとQさんが先回りして待っている伏美小屋までは少し遠い。

さぁ〜どうしよう…案の定、Gさんお得意のヒッチハイク?
登山口にいた単独で来ていて下山したばかりの苫小牧のUさんにお願いして同乗させてもらう。

その後、Tさん、Qさんと合流する。
丁度時間は14時くらい。

いつもなら温泉で汗を流してから帰宅するのだが、シルバーウィークの後半ということで、渋滞が予想されるので、一路札幌へと帰路に着く。
意外や意外、渋滞にもはまらずに帰路に着く事ができたのは幸いだった。
無事17時頃に帰札となった。


〜伏美岳・六の沢遡行からの風景〜

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